2026/02/02 11:20

A5が重く感じる理由、という話

和牛の話をするとき、
どうしても基準に出てくるのが「A5」という等級です。

A5=一番良い。
そう思われるのも、無理はありません。

でも実際に扱っていると、
**「今日はA5がちょっと重いな」**と感じる日があります。

それは感覚の話ではなく、
ちゃんと理由のある違和感です。


等級は“脂の量”を表している

A5という評価は、
サシの入り具合や肉質を数値化したものです。

つまり、
美味しさの指標というより「状態の指標」

脂が多い=悪い、ではありません。
ただ、脂が多いほど
・火入れで縮みやすい
・歩留まりが下がる
・食後の満足感が変わる

こうした差が、確実に出てきます。


歩留まりで見ると、印象は変わる

同じ100gの和牛でも、
焼いたあとに残る量は違います。

脂が多い部位ほど、
焼成中に溶け出す割合が増え、
結果として皿に残るのは70g前後、
ということも珍しくありません。

一方で、
赤身のバランスが良い和牛は
縮みが少なく、80〜85g残ることもあります。

この差は、食べたときの“重さ”として現れます。


「軽い=物足りない」ではない

赤身中心の和牛は、
あっさりしているわけではありません。

・噛んだときの旨み
・温度が下がってからの味の残り方
・一切れ目より二切れ目の印象

こうした部分で、
ゆっくり効いてくる美味しさがあります。

だから、
特別な日じゃなく、いつもの週末に向いている。


等級より先に見てほしいこと

私たちが和牛を見るとき、
等級よりも先に見るのは、

・脂の質(溶け方・香り)
・部位との相性
・焼いた後のサイズ感

この3つです。

A5が合う日もあれば、
A4や赤身寄りがしっくりくる日もある。

それくらいの距離感で
和牛と付き合う方が、
きっと楽しい。


週末のテーブルに置きたいのは

「正解の和牛」ではなく、
その日の時間に合う和牛。

今日は軽めに、
明日はしっかり。

そんな選び方の延長に、
長崎和牛があれば嬉しいなと思っています。

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